東日本ロード・トリップ
2015年8月27日(3日目)
青森県大間町〜北海道日高郡新ひだか町
走行356km
総合1339km
スバル インプレッサスポーツ 1.6i
初めての車中泊だから眠れないかもしれないと心配していたが、意外にも横になって10分で熟睡していたようだ。翌朝、カモメの群れが騒がしくて目が覚める。夢の中にいるような心地で支度をしていたら、古いハッチバックに乗る近くの老人男性に声をかけられ、何か困っているのかと思ったが、聞くと「ドアの開閉がうるさい」と注意されてしまった。力任せに閉めないよう気を遣ってはいたが、それでも言うなら半ドアにしなければいけないのか?朝から不快な気分だ。フェリー出港まで十分な時間があるが、支度もそこそこに10分程度で大間港フェリーターミナルへ出発する。天候があまり良くなかったこともあり、本州最北端の碑での記念撮影は断念した。カモメが頂点に立つ様子が撮れたので良しとしよう。
フェリーターミナルに無事に到着し、誘導に従って車を停める。乗船が始まると、いよいよかという気分になってきた。本州とは暫しお別れである。Google Mapを見ると、現在地が信じられない場所になっている。関東〜東北と景色の移り変わりを見てきたが、ある意味、このGPSによる青い点の位置を見ることで「本当に遠くまで走ってきたな」と最も強い実感が湧くような気がする。
フェリーでは最も安価な料金なので、床に直に座るスペースが指定されているが、何かの避難所に見えてしまい、そんなところにはいたくない。椅子くらい用意することに何の問題もないだろうに、今時お金を払って床に座らせるなど私には理解できず、せめてパイプ椅子くらい置けよと言いたい。鉄道の特急車両のようなシートに座るためには、さらに高い料金を払わなければならないが、普通はシートに座って当然だと考えてしまうから、そうなると割高以外の何でもない。船内にいるのは退屈だし、乗船時間1時間の半分以上は甲板で景色を見ながら過ごした。幸い台風の影響は受けず定刻通りの出港で、強風やそれに伴う波、揺れはほぼないが、天気はどんよりと黒ずんだ曇り空のままで、今にも雨が降り出しそうである。「徐々に消えていく青森と、代わりに前方に見えてくるのは北海道なんだろうな」と、北海道が目前なのにも関わらず、天気のせいでかなり冷静になっていた。一方、遠くに貨物船がいくつか見えたので、外国船かと考えてはワクワクしていた。
予定より少し早く、フェリーは函館港に到着した。下船の様子を動画で撮ろうと思い、カメラをセットする。長いこと車内で待機した後、扉が開き、エンジンをかける。ついに北海道上陸だ。
しかし、天気は悪化する一方だった。下船と同時に、視界は雨粒で覆われる。降ったり止んだりを繰り返す、何とも高揚するはずの気分を落ち着かせる雨だ。ただ、フェリーターミナルを出て暫くの間は、お世辞にも期待した世界とは言えぬ、普通の街並みが広がっている。確かに道路は本州の2倍近く幅広い気がするが、北海道らしいと感じたのはそのくらいで、悪天候も相まって、少々残念な気持ちになってしまった。
とはいえ、市街地を抜ければ徐々に期待していた北海道らしい世界になってくる。信号、街路樹、民家はなく、殆ど直線である。気にすることは速度くらいなので、鉄道を走らせているかのような気分になる。こんなに見晴らしがよく、路面状態も良くて、もはや都内の高速道路より道路条件は良いのに、60km/h制限のままなのは非常に勿体ない。その上、少しでもカーブが増えたり、道路が狭くなったりすれば、容赦なく制限速度は50、40と下げられていく。東京で80km/h制限の高速道路が北海道では60km/h制限の一般道になり、同様に東京で60km/h制限のところが北海道では50km/h、40km/h制限になるという印象だった。速度を出せないモヤモヤに引かれつつ、ライダーの友人と待ち合わせる予定の苫小牧フェリーターミナルへ向かう(友人は名古屋からフェリーで北海道上陸するルートを選択した)。本当に文字通りひたすら走り続けた。
やっとのことで苫小牧フェリーターミナルに着いたが、友人はさらに先の道の駅へ移動しているとのことで、急いで移動する。道の駅で無事に1人と合流すると、セイコーマートへ行くことに。そこでもう1人の友人が隠れて待っていたのだが(1人は当日まで行かないかもしれないと言って、いないことになっていた)、残念ながら当日までのLINEでの怪しいやりとりですっかりバレている。初めて入ったセイコーマートでは、その品揃えの良さと安さ、食品の美味しさに驚いた。この時点で、今回の旅が「セイコマツーリング」と化すことは避けられなくなってしまった。
東京から1000km離れた先で見事に再会を果たした後は、私のインプレッサが先導して浦河方面のキャンプ場に向かうことにした。まだ昼過ぎだが、車・バイク組の双方とも長旅のため疲れているだろうとの判断からだ。その道中は、右が海、左が緩やかな山という何ともシンプルな景色が延々と続いた。苫小牧からまだ少ししか走っていない2人は、まだ景色に北海道らしさが実感できないと言っていたが、私には既に北海道らしさ全開の中を駆け抜ける気分だった。
キャンプ場は、新ひだか町にある「森林公園緑のふるさと『温泉の森』キャンプ場」に決まった。このキャンプ場には、温泉に併設された公営の温泉があって、建てられて間もないのか非常に綺麗で設備も良く、落ち着くことが出来た。テントを組む余力がないということで、北海道初日からバンガローに泊まることになる。そして夕食は自炊の彼カレーライス...ではなく、私のインプレッサに2人を乗せて町まで出て、寿司やラーメンと迷った末にチェーン店(東京にはない)のハンバーグセットになったが、疲れていたのか、北海道だからなのか、安いのに量が多い上に美味しくて満足した。
<目次>
08/25 東日本Road Trip Part 1 東京〜酒田
08/26 東日本Road Trip Part 2 酒田〜大間
08/27 東日本Road Trip Part 3 大間〜日高
08/28 東日本Road Trip Part 4 日高〜士幌
08/29 東日本Road Trip Part 5 士幌〜釧路
08/30 東日本Road Trip Part 6 釧路〜納沙布・羅臼〜釧路
08/31 東日本Road Trip Part 7 釧路〜名寄
09/01 東日本Road Trip Part 8 名寄〜宗谷〜余市(前編)
09/01 東日本Road Trip Part 8 名寄〜宗谷〜余市(中編)
09/01 東日本Road Trip Part 8 名寄〜宗谷〜余市(後編)
09/02 東日本Road Trip Part 9 余市〜奥州(前編)
09/02 東日本Road Trip Part 9 余市〜奥州(後編)
09/03 東日本Road Trip Part 10 奥州〜東京
東日本Road Tripの記録 番外編