2016年3月31日木曜日

新型ソリオの運転感覚の変化についていけるか

タイムズカープラスに2015年にデビューした新型ソリオ(いわゆるMA26S型というらしい)が配備されるようになったので乗ってみた。何故ちょい乗り特集と別に書こうとしているかというと、モデルチェンジに伴って、見た目はほぼ瓜二つなのにも関わらず、運転感覚が完全な別物になったことに驚いたからである。そして残念ながら、その変化は悪い方向に起きていた。

旧型ソリオ(いわゆるMA15S型)の運転は、その背の高さから想定されるキャラクターに反してスイフトに通ずるものがあり、意外にもキビキビとしたハンドリングを楽しむことができた。速度を上げたり、多少乱暴な運転をしたりしても不安を感じることはなく、スズキの普通車への好印象の度合いがさらに高まる結果となっていた。

しかし、ソリオの用途として主に考えられることは、高齢者の送迎ではないかと思う。家から病院などへの近距離の往復を考えれば、俊敏さは不要とも言える。恐らくスズキはそのように考えたのだろう。新型ソリオのハンドリングは、私が今まで乗った車の中でも最もステアリングのギア比がスローに変えられており、狭い交差点での右左折や駐車場内での転回をする時には、必死にグルグルとステアリングを回転させる必要があった。あまりにスローなので、まるでバスを運転しているかのような気分になれる車である。

自動車評論家の多くは、車を評価する際にどうしても「車好き」の目線になりがちで、運転の楽しさを評価基準に据えては、ミニバンの運転がつまらないなどと嘆いているが、ソリオに運転の楽しさを求める顧客がいるだろうか。ステアリングのギア比がスローになれば、乱暴なハンドリングをしようと思っても穏やかに走ることができるため、ソリオのキャラクターに相応しくなったということもできるだろう。私もその点は納得するし、ソリオらしくなったと思い、特に問題はない。

しかし、ギア比を落とすことばかり意識してしまったのか、このソリオのハンドリングは直感的でなくなり、少しでも速度を出すと不安に感じられるようになってしまった。直進しているだけで不安を感じる車も珍しい。これは、ギア比をスローにしたのと同時に中央部の遊びも大きくなってしまい、他のごく一般的な普通車と同じ感覚で乗ると、直進時でも無意識に行っている微細な進行方向調整をしたつもりでも、車が反応しないためである。遊びが大きく、ある程度ステアリングを切ってから徐々に車が向きを変えるというのは、何とも気持ち悪い。おまけにパワー・ステアリングが軽過ぎる上に道路のインフォメーションが皆無なものだから、プレイステーションに繋いだステアリング・コントローラーと良い勝負だ。

新型ソリオは、スイフトを作ったメーカーが作る車とは思えないくらいに酷いハンドリングであり、ギア比をスローにする判断は良かったが、非常に残念としか言いようがない。このソリオのハンドリングを「問題ない」または「気に入った」と述べている自動車評論家は信用すべきでない。手放しで賞賛する評論家がいて呆れる一方で、何名かは正直に違和感を指摘していたことから、私の感覚も間違ってはいないはずだ。

ハンドリング以外に関しては旧型とあまり変化はない。驚くべき車内の広さは健在だし、荒れた路面では至る所がバタバタと音を立てて剛性の低さを感じさせるところも同じだ。

2016年3月のちょい乗り特集 

・スズキ スイフト (03/15)
数少ない前期型の中でも希少色スモーキーグリーン。頻繁に利用されてきたようで走行距離は多め、ステアリングはテカテカ。エンジンルームから新車のスイフトでは聞こえない「ヒーン」という音が聞こえてくるのが気になった。何かが劣化しているのだろうか。

・スズキ スイフト (03/17)
タイムズカープラス利用歴2年が経過して、ついに新規導入当日に利用者1人目の機会を得た。一度も雨に濡れていないピカピカの新車で、オドメーターは61kmだった。新車は良いなと思いつつ乗っていたが、すぐに汚れて中古車に...なんて考えてしまう私には新車は勿体ない。

・トヨタ カローラ フィールダー (03/22)
前期型のスッキリした顔が好きだったのに、後期型になり牙を生やしてしまった。カローラってこんなに剛性高かったっけ?と思うほど、初めて乗った頃のカローラと印象が違った。やはりBMWのように立ったAピラーはすこぶる運転しやすい。ワゴンなのにトランクに照明がないのはあり得ない!

2016年3月17日木曜日

MINIで1時間ドライブ

大学への用事の帰りに寄り道して、MINIに乗ることに。最近すっかりBMW、それもE87の方に傾いている状況だが、どう映るか...?

久々に乗ってみてまず感じたのは、ハンドリングがクイック過ぎるというものだった。「アジリティの塊のような車」や「長距離だと疲れてしまうかもしれない」といった評価を目にして以来、私もMINIの特徴であるクイックなハンドリングが、悪い意味で気になってきた。確かに、素早く左右にステアリングを操作した時のMINIの動きは、今まで乗った他の全ての車と比較してもダントツでクイックであり、その上硬い足回りのために体が上下左右に激しく揺さぶられる。その時の私はとても疲れていたが、少し気分が悪くなりそうなほどに激しい揺れと感じてしまった。

「疲れを感じたら乗るな」と教習所の教本には書かれていた気がするが、1日出かけた先からの帰路は疲れていないはずがない。疲れていても快適に家に帰れるかというのも大事ではないかと考えるようになってしまったが...疲れている時に運転すると疲れをより増幅させてしまうことに気がついた、というのが今回MINIに乗ってみてのポイントである。

しかし、MINIはどの角度から撮っても絵になるなぁ。