2018年7月15日日曜日

トヨタC-HRはトヨタらしからぬ名車

トヨタC-HRという車は、しばしば「CH-R」と誤って表記される不憫な車だ。日産には「GT-R」があるし、ホンダには「CR-X」や「HR-V」といったハイフンの後に一文字、という車名が多く存在する。ハイフンの後にR、V、X、Zといったカッコイイ文字一文字を置くスタイルが流行っている中で、ハイフンの位置を前にずらした「C-HR」は、それらとは一味違いそうだ。ちなみにC-HRの意味は忘れた。

トヨタによれば、簡単に言えばC-HRはプリウスがベースらしい。車台、ハイブリッドシステムなどがそうだろうか。「プリウスがベース」と聞くと何だか地味な印象を受けてしまうが、実は走りを重視して開発したらしい。ただトヨタがたとえ「頑張った」と言っても、乗ってみると「よくできました」とはなるものの、その出来が印象的なものだとか、感動するレベルには達していないのが当たり前で、C-HRもその例に漏れないだろうと、今まで大して気には留めていなかった。

カーシェアリングに導入されたのをきっかけに、わざわざビーエムで出かけて行って乗ってみたところ、終始ステアリング上のトヨタマークに違和感を感じる不思議なドライブになってしまった。C-HRは良い意味でトヨタらしからぬ高いクオリティを持つ車である。

私が感動したのは足回りだった。私のBMW1シリーズはかなり足が硬い車だが、C-HRに乗り換えても「この車は足が硬い」と思わせる。過去にトヨタ車を乗り継いできた人にはかなり違和感があるはずだ。それでいて硬すぎると感じることもなく、柔らかさもない丁度良さ。バイパスを流している程度では段差を軽くこなしてかなり乗り心地が良く、トヨタ車にありがちだった不快なフワフワ感が一切ないのは驚きだった。

デザインは、言うまでもなくカッコイイ。何にも似ておらず個性的で、細部の線の繋がりが見事だ。癖が強いので好みは分かれるだろうが、私はヘッドライトの形状を除いてとても気に入っている。あの見た目で、実はプリウスと最低地上高が同じというのも凄い。調べてみればデザイナーはアメリカ人で、さらに「造形は実車化にあたりなるべくデザイナーの意図を残したい」という旨のことが書かれていて、トヨタもやればできるじゃないかと嬉しくなった。

私は初代マツダCX-5には何度も乗ったことがあるが、あれはシートのクッションが柔らかすぎて体が上下に跳ねてしまい、また重心が高く走りを語るレベルになかったこともあって、基本的にSUVは乗るものではなく眺めて楽しむものだと思っていた。ここまで良い走りをするSUVがあるのかと驚くと同時に、新型BMW X3が目の前を走っているのを見て、SUVに急に興味が湧いてきた。日本車でSUVしか買えない状況になったら(まず有り得ないが)、今ならトヨタC-HRを買う。次は高速道路でどんな走りをするか試してみたいものだ。