東日本ロード・トリップ
2015年8月30日(6日目)
北海道釧路郡釧路町達古武〜(納沙布岬、知床峠)〜北海道釧路郡釧路町達古武
走行619km(推定)
総合2665km
スバル インプレッサスポーツ 1.6i
事前の計画では、私だけ北海道滞在期間が一週間近く短いため、29日からバイクの友人2人と別れることになっていた。しかし、3人で走ることの楽しさから、可能な限りバイク2人と同行する時間を延ばそうと考え、まずレンタカーを借りる期間を延長できるかどうかを確認するために、レンタカー会社へ連絡をとることにした。電話をした結果、延長するためには一度店舗まで戻らなければならないとのことなので、レンタカーの延長は諦め、北海道の滞在期間だけでも延長するために、計画を練り直すことにする。元の予定では、9月1日の夜に函館まで戻り、2日に朝からフェリー乗船〜山形県、3日に山形県〜東京都としたが、2日の夕方に函館まで戻って、フェリー乗船から夜の間に東北地方を行けるところまで進み、3日は東北自動車道を利用して一気に東京都まで戻る計画を立てた。今回のツーリングでは一切有料道路を利用しないつもりでいたが、東北道を利用することで時間短縮を図るというわけだ。出費は増えるものの、北海道により長く滞在できるのなら良しとしよう。
7時起床。私の希望で、2人を乗せ釧路湿原内のとある展望台へ行くことにした。テントが結露によって濡れているため、乾燥させる時間を利用する。展望台へは何キロか砂利道を進むことになり、インプレッサは土煙を上げながら頼もしく走っていく。途中、鹿の群れに遭遇した。鹿は私たちを怖がる様子もなく、速度を落としてしばらく並走したり、観察したりした。奥多摩で見た鹿の群れとは大分様子が違う。鹿の耳の辺りにタグのようなものがついているのを見つけて、どうやら管理されているようだ。展望台に着き、結構な数の階段を上ると、釧路湿原が一望できる。高い木が少ない湿原がずっと広がっている。ふと、友人が近くに鹿が一頭いるのを見つけた。この広い自然の中で、あの鹿は一頭で生きている...
友人2人とも釧路湿原までインプレッサに乗っていったのだが、この日までの時点ですっかり疲れているようで、今日はインプレッサに同乗して道東を回り、また達古武オートキャンプ場に泊まるということになった。私も今日までは2人と過ごしてこのキャンプ場に泊まり、明日から別れることを決めた。キャンプ場に戻ると、テントはすっかり乾いていたので畳むことにする。テントの乾燥には時間がかかるので、明日の出発時間を早められるように、今日は車中泊をすることにした。ここで遅い朝食は、昨日道の駅うらほろで購入したチーズカスタードパン。準備もそこそこに、2人を乗せて出発する。出発して間もなく、道道1003号線に出た。ついに4桁道道初登場。根室までの道は、道央までと違ってさらに地平線が広く見えるような気がした。とにかく何もない道をひたすら走るという印象だ。途中の道の駅にて、同じインプレッサのレンタカーに遭遇し、隣に停めてみた。私たちが出発しようとしたとき、また別のインプレッサが現れ、隣に停めたので、もう少しタイミングをずらせば3台が並んだのに惜しい。
昨日までのドライブではなかった会話を楽しみながら走ると、納沙布岬に着いた。この近辺からは北方領土が見渡せることもあって、日本の国旗や色々な看板が目につく。初めて目の当たりにする北方領土は、当たり前だが、肉眼でもはっきりと見える島だった。写真に撮って拡大すると、建物のようなものも幾つか見ることが出来た。ここで、セイコーマートで買っておいたチキン南蛮弁当を食べる。たかがコンビニ弁当とは侮ってはいけないレベルの美味しさに感動してしまう。ちなみに、2人は私が運転中に既に食べてしまった。納沙布岬から来た道を戻る途中、iPhoneの警報が突然鳴って驚いたが、訓練とのことらしく、確かにこの半島は海から反対側の海が見渡せそうなほどに狭く、また高台もないので、大地震の際には避難するのは大変だろう。
納沙布岬からは、羅臼岳への長旅が始まる。長旅は今までも続いていると言えばその通りだが、改めて長旅と言いたくなるほどに、根室から標津、羅臼までの道は両脇に殆ど森しかない単調な道だったのだ。本当に何もないので距離感覚がますますおかしくなってくる。「100km以上道なり」というナビの表示にも全く驚きはしない。ハイライトと言えば...オドメーターが4000kmを達成したことくらいだろうか。
羅臼町に入り、道道87号線を進むと、半島の先端近くまで行けるようなので行ってみることにする。夕暮れが近づいていたので飛ばしていくと、程なくして「キケン 道なし!」と「この先 行き止まり」と書かれた大きな看板が見えてきた。車で行くことが出来るのはここまでのようだ。車を停めて、近くの案内板を見ると、「ここから先へ行かれる方へ」として、「ヒグマ高密度生息地」やら「すべて自己責任」といった恐ろしい文句が平然と書かれている。ここから先は、手つかずの状態であるらしい。一応、まだ進めるようだったので、少しだけ進んでみる。大きな石が転がっている道は歩くのさえ大変だが、漁業関係者の軽トラックが往来しているところを見ると、すぐに手つかずの自然になるわけではないようだ。それにしても、軽トラのたくましさを見ることができたのはよかったが、周辺に停まっている車を見ると、車体の至る所が錆びていて、その上どれもナンバープレートがついていないではないか。でも、どの車も動いている。確かに、この道は公道ではないのだ。東京に住む私からすれば、想像もつかない世界であることは言うまでもない。とにかく...妙な気分である。キツネもここまで来ると人への警戒心も薄いようで、2人はキツネに近づこうとしていた。
夕暮れが近いので、急いで今日最後の目的地である羅臼岳を目指す。ガソリンが1/3を切りそうな切りそうなところだが、ガソリンスタンドがどこにもなく、羅臼岳への上り坂となってしまい不安が募る。知床峠の駐車場に着くと少し観光客がいたが、相変わらず殆ど人がいない世界だ。あまりに風が強い時間が長いからなのか、辺りの木々は多くが風の吹く方向へ流れるように倒れ、枯れているものもあり、そして奥には雄大な羅臼岳。なかなか見られない光景に感動する。のんびり記念撮影をして景色を堪能していると、少なかった観光客が更に減り、私たちだけになってしまった。
ここからまだ延々と走り続けなければならない。おまけにガソリンは残り少ない。3人でいるのに、私は不安で仕方がなかった。美しくも寂しさを感じさせる知床の海と夕焼けを横目に見ながら、西へ進む。斜里町の近くでガソリンスタンドを見つけたので、無事に給油ができて一安心。友人が風邪気味になってしまったとのことで、薬局に寄ってマスクや薬を購入する。国道391号線をひたすら南下するのだが、ヘッドライトを消すと完全に暗闇になるような深い森の中を走っていると、頻繁にキツネに遭遇するので気は抜けない。地図で見ると釧路湿原まで結構な距離があるが、この間にすれ違った車の数は数えるほどしかなかった。携帯電話も時々圏外になり、もし1人だったらと思うと恐ろしい。昨日のザンギの店が閉店してしまっていたので、夕食は釧路駅近くのファミレスとなった。立派な作りの駅付近は、21時だというのに人も車も殆どいない。キャンプ場に戻ると、濃霧に包まれて幻想的な雰囲気になっていた。昨夜は家族連れが目立ったが、さすがに9月近くなのでめっきりと減っている。2人は引き続きテント泊、私は5日振りのインプレッサ車中泊である。
<目次>
08/25 東日本Road Trip Part 1 東京〜酒田
08/26 東日本Road Trip Part 2 酒田〜大間
08/27 東日本Road Trip Part 3 大間〜日高
08/28 東日本Road Trip Part 4 日高〜士幌
08/29 東日本Road Trip Part 5 士幌〜釧路
08/30 東日本Road Trip Part 6 釧路〜納沙布・羅臼〜釧路
08/31 東日本Road Trip Part 7 釧路〜名寄
09/01 東日本Road Trip Part 8 名寄〜宗谷〜余市(前編)
09/01 東日本Road Trip Part 8 名寄〜宗谷〜余市(中編)
09/01 東日本Road Trip Part 8 名寄〜宗谷〜余市(後編)
09/02 東日本Road Trip Part 9 余市〜奥州(前編)
09/02 東日本Road Trip Part 9 余市〜奥州(後編)
09/03 東日本Road Trip Part 10 奥州〜東京
東日本Road Tripの記録 番外編