2016年9月25日日曜日

さようなら BMW E87 1シリーズ

私が愛して止まないBMW、初めて自らの手で運転したのは2年前の3月だった。今日、9月25日はタイムズカープラス最後の1台となった116iの予約可能な最終日である。最後にこの車のステアリングを握って思い出にするのは、私だ!

何処に行こうか、当日の朝まで迷った。最近の富士山・奥多摩ドライブや、諏訪湖、山中湖家族旅行などはいずれも最後のドライブのつもりで乗っていたくらいだし、それ以前にも伊豆や日光にこの車で行ったことがある。折角だから関東圏で今までに行ったことのない場所へ行きたいと思ったが、残されているのはただ一つ、千葉県の銚子しかない。何故今まで銚子方面に行かなかったかといえば、千葉県は何度か内房方面に行ったことがあるが、あまり楽しい道ではなく、景色も北や西に比べて劣ると感じていたため、銚子方面にも期待が持てなかったからである。しかし、今回はしっかりと調べてみると、「銚子マリーナ海水浴場」というところが良さそうだったので、とりあえずここに向かうことにした。

11時頃に出発。御茶ノ水を出て東に行くのは初めてだが、すぐに見覚えのある高いタワーが現れる。「道の先に見える東京スカイツリー」は北海道ツーリングの帰りにインプレッサから見たあの景色と同じだ。

ナビに従い、ひたすら東へ。往路は茨城県側を、復路はより南側をというように時計回りで行こう。

いつものように車体が埃まみれなので、途中で洗車機にかける。綺麗になったところで、同乗のバーミリオンさんがこの「さよなら運転」のために制作してくれたマグネット式のオリジナル・ステッカーを装着! デザインはバーミリオンさんらしく細部まで隙を見せない拘りが特徴で、「116i」のフォントをイメージした文字にしたり、「最後のドライブ」らしくチェッカーフラッグをイメージにした背景にしたり、ブルーの色はBMWのエンブレムと合わせる、など細かいところまで挙げればきりがないほど。しっかり日付まで書かれていて今回限りしか使用できないという、とても贅沢なステッカーである。

市街地を抜け、知らない地名が増えてきた。この時点で、今まで銚子方面に行かなかったことを薄々後悔し始めていた。というのは、この国道125号線や国道356号線は日曜日にも関わらず交通量が非常に少なく、信号も殆どなく、自分のペースでのんびり走ることができるほか、周囲に車がいたとしても綺麗に整列した状態で良いペースで流れており、緩やかなカーブが続くのでとても気持ちがいいからである。

道の駅「水の郷 さわら」で休憩しようとしたら、駐車場がほとんど満車で驚いた。土産物屋とスーパーのような店舗があり、いずれも大混雑している。福引きの景品が「卵パック」なので、客の殆どは地元の人々なのだろう。こんなに盛況な道の駅は初めて見た。

どこまでも続く田舎道を走り続けていると、利根川沿いに出たところで息を飲んだ。この景色、北海道で見た景色にそっくりじゃないか。東京からたったの3時間でこの景色とは、今まで銚子方面に行かなかったことをより後悔することになった。

意外と時間がかかり、銚子に着いたのは16時になってからだった。遅めの昼食を海岸で食べたいと思い、コンビニで食料を調達する。概ね晴れているし、いい感じだ。

今回の目的地、「銚子マリーナ海水浴場」に到着した。オフシーズンということもあるが、人が少なく、長閑な海岸だ。下手に観光地化していないところも良い。長閑でありながら、海の先には「屏風ヶ浦」という切り立った崖が続いていて「日本のドーバー海峡」なんて呼ばれているそうだが、なるほど迫力がある。

海岸沿いに降りてコンビニ弁当を食べる。結局ドライブでお馴染みコンビニ弁当になってしまったが、それどころではないくらいに景色が素晴らしい。今まで千葉はドライブの目的地にしてこなかったが、今日のルートは文句なしに新しくお気に入りに登録された。千葉に来るなら私は館山より銚子が良いかもしれない。

夕焼けを静かに眺めていたいが、これが完全に沈む頃になってしまうと帰りの時間が危うくなってくるのが残念だ。今回は予約可能な最終日のため、システム上延長することができないのである。この景色に完全に心打たれているバーミリオンさんには悪いが、そろそろ帰りの支度をしなければならぬ。

まもなく日が暮れる時間になった。このBMWをカメラでまともに写真に収められるのも今のうちだ。自宅に帰ってから気がついたのだが、長い間放置されていた左フロントドアの大きな凹みがこの数日の間に修復されていたようだ。最後の最後まで手をかけることを惜しまずにいてくれたタイムズに感謝したい。

17時過ぎ、帰路につく。しばらくは先ほどまで眺めていた崖の上を走るが、ここもまた北海道で見たような景色が続いて素晴らしい。最後のドライブを噛み締めながら東京へひたすら走る。千葉の空は広い。

東京に入ると夜景がとても綺麗で印象的だった。

靖国通りまで戻ってきたら、あと数キロしかない。最後の最後まで、無事故で、安全運転で。

22時。赤いBMWとの最後のドライブが無事に終わった。合わせて11時間ほどのドライブだが、体感ではとても長く感じたのが印象的だった。

最後のオドメーターは 165308 km
今回は 259.1 km 走行した。

このBMWは、5日後の30日をもって車検満了を迎える。現在の状態を考えると、恐らくは、このまま車としての一生を終えることだろう。

「わ」ナンバーのレンタカーというのは、不特定多数の人に酷使される運命にある。この車も5年で16万キロという異常なペースで距離を重ね、基本的に埃まみれ、パーツの紛失、終盤はエンストやATからの異音、誰の仕業かわからない大きな凹みが生じたりと大変な日々を送ってきた。ただし、ここまでの状態になるのはカーシェアリング特有であり、普通のレンタカーならここまで状態が悪化することはないだろう。このカーシェアリングの一番の問題は、無人管理のために雑に使用される傾向があることだと思う。雑に使用されてきた痕跡は無視することはできないが、せめて私が使う間だけでも丁寧に扱おうと心がけてきた。

このままレンタカーとして一生を終えようとしているのにも関わらず、最後の最後まで気に入ってくれたユーザーがいるこのBMWは、幸せだったと思っていることを願う。

7年前、大好きだったE36と別れ、2年前、E87を自分で運転する機会がやってきて「再会」できて嬉しかった。しかし、「わ」ナンバーだし、どれも状態が良いとは言えず悔しい思いをした。如何に私がBMWを好きかというのは、今更ここで書くつもりは無い。次の「再会」があることを今から心待ちにしている。

少なくとも、E87系統の1シリーズと一旦お別れなのは間違いない。
ありがとうございました!

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