おなじみの富士浅間神社。道の駅富士吉田では「レーダードームカレー」なるものを発見し、食べてみることに。なかなか可愛らしいカレーだが、意外と辛い! 学食のカレーの辛さより一割増しだ。ゆるキャラの「うどんぶりちゃん」もかわいい。
2日目のメインは、私と妹の希望で「河口湖オルゴール美術館」に。ここは子供の頃から何度も訪れているが、10年近く空いてしまった。昔は広く感じたが、大人になった今だと思ったより狭く感じるのが面白い。細かいところで改装されているものの、目玉の大型ダンスオルガン等はそのままで嬉しかった。
ここにある殆どのオルゴールは、ただ眺めているだけでは演奏してもらえない。ショーを回るだけでも幾つかのオルゴールは聴けるが、興味をもって自らアプローチしていくと、スタッフの方々もそれに応えてくれる、そんな美術館である。
ショー等のイベントを一通り回ったところで、何か物足りないと思ったら、私の好きなディスク・オルゴールを一つも見ていないことに気がついた。どうしても聴かずに帰るわけにはいかないと思い、オルゴールが並べられたフロアに行くと、その様子に気がついた1人のスタッフが対応してくれた。ディスク・オルゴールの演奏が聴きたいと伝えると、奥にある一台のディスク・オルゴールに案内された。専用のコインを入れると演奏が始まるという。コインを入れると...グノーのアヴェ・マリアではないか。当時のヨーロッパで作られたオルゴールは、日本ではマイナーな曲が多く、アヴェ・マリアが流れるとは思ってもみなかった。特にオルゴールが好きな私と母は、その場で固まってしまった。
何故ディスク・オルゴールが好きかというと、ゆっくり円盤が回転する様、その堂々たる風格、そして筐体が大きいことにより音色が深く、柔らかくなるからである。スタッフさんはこの後も何台ものオルゴールを紹介してくれて、オルゴール・メーカーの中でも、音色が比較的柔らかいところとそうでないところがあるなど、数えきれないほどの豆知識も教えてくれた。大人になって、クラシックの知識が豊富な今こそ楽しめると信じて来たが、まさにその通りだった。
ここはヨーロッパのような景観が特徴で、どの角度から見ても美しく見える。妹はこの景色が目当てだったので、既にお疲れの模様。私がオルゴールに熱中したせいで、2時に入館したのに5時になってしまった。10年以上、毎時0分を告げてきたからくり人形のおじさんと噴水のショーを見て、オルゴール美術館は満足のうちにお終いとなった。
最後にショッピングセンター・ベルに寄りつつ、帰路についた。3年前と同様、今回の家族旅行も私主導で計画したが、成功してよかった。月曜日なので中央自動車道の渋滞もなく、スムーズに帰宅。私はBMWを返さなければならないので、そのまま御茶ノ水方面へ...
無事に駐車場に到着し、残された時間を車内で過ごす。取扱説明書を改めて開くと、これだけでますますBMWファンになってしまった。1ページ目にはこう書かれている。
「車をよく知れば知るほど、その真価を発揮させることができます。」
車検証を確認すると、車検満了日が9月30日、要するにあと1ヶ月弱でこのBMWも生涯を終えることがわかった。最盛期は10台以上配備されていたE87も、今やこの赤い1台のみ。そして16万kmを超えているとなれば、さすがに中古車市場に出ることも考えにくいだろう。
ここ最近は毎回「最後のドライブになる」と覚悟して乗ってきた。予約サイトを確認すると、25日で予約は終了となるようだ。念のため予約しておくが、もしかしたら今回が最後かもしれない。いつにも増して後ろ髪を引かれる思いで駐車場を後にした。