2015年2月24日火曜日

マツダ ロードスターにちょい乗り



先のBMW320iの隣に6速MTのマツダロードスターVS(NC型)が用意されているのを見つけ、これまた急遽乗ることにした。料金が高いので、30分だけ乗るつもりで予約し、初のスポーツカーだ!と期待を膨らませながら車内へ。

剛性感皆無のドアが柔らかい!シフトレバーが硬い!狭い!幌の外から環境音がどんどん入ってくる!予備知識がほぼないのでとても新鮮なことばかりだ。エンジンをかけると、うるさい!遮音って何のこと??テンション上がってきたぞ!!

さて、興奮し始めたところでシートポジションを合わせようとすると、なんとステアリングが上下調整のみで前後調整のテレスコピックがない!嫌な予感がした。私は身長が高くないので、ペダルに足を合わせた結果、シートバックがかなり立ち気味のままだったこともあるが、ステアリングが過去にないくらい近い位置に来てしまった。こんなの有りか?しかもペダルが全体的に右に寄っている。スポーツカーってこんな窮屈な思いをしなければならないのか...と少しテンションが下がってきた。

とにかく走ってみようとクラッチを繋ぐと、コールドスタートでまだアイドリング回転数が高いせいか、アクセルを踏まなくてもスルスルと走る。トルクが凄い!そしてやっぱりシフトが硬い!

エンジン音はうるさいが、あまり良い音ではないようだ。アクセルを踏むと、ちょっと踏んだだけなのにロードスターはグイッと加速しようとした。何コレ?!アクセルで微妙な速度調整ができないぞ!直前に乗った320iがロードスターと比較して踏力を要する重いペダルな上、踏み込んでいかないと加速しない車だったので、この違いには最後まで慣れることができなかった。少し踏めば、ぐんぐん速度が出てくる!!スピードを出そうと思わないのに既に速い!!はっきり言って恐い!!慣れない車に疲れた空腹の状態で乗るんじゃなかった!と若干後悔しつつ、仕方がないので進んでいくが、危険を感じたので早めに引き返して衝撃のドライブはお終いとなった。



走り始めたら、気を抜けない。落ち着いてゆったり走るなんて無茶な話だ。そう思ってしまうほど、過激な車に感じられた。シビックのMT車、フィットRSのMT車は普通に走れたのに!たかがマツダロードスターだぞ?世界で一番売れてるとは言え、4気筒2,000CCの普通のMT車だぞ??先ほど乗ったばかりの同じ4気筒2,000ccのBMW320iとは全然違うじゃないか!!

これがスポーツカーの世界では当たり前のことなのか、それともこの車体だけ何か事情があるのか、BMWやMINIのアクセルワークに慣れたせいなのか、私の運転がまだまだ下手なのか、正直言って混乱している。とにかくエンジンをかけた時から運転中までずっと興奮したままで、平常心がどこかに行ってしまいそうだった。こんな車は初めてだ!



駐車場に戻り、幌を開けてみることにした。さすがに街中でオープンにする余裕もないので、雰囲気だけ味わおう。なかなか良さそうだね。幌の開閉は手動だが、電動の必要性は感じられなかった。ただし、閉める時に完全に閉まらず苦労した。




気に入らない点を一つ。何故ステアリングのテレスコピックがないのか?古いスポーツカーにテレスコピックがないのは理解できるが、現代の、それも300万円する車にテレスコピックさえないのはいかがなものか。調べると、先代のNB型までは上下調整のチルト機構さえ省かれていたようだ。適正なシートポジションはドライビングの基本だと思っている私にとって、テレスコピックがないモデルは論外である。デミオにテレスコピックがついて絶賛している自動車評論家たちは、ロードスターにテレスコピックがないことを何とも思わないのだろうか。今まで、ロードスターのシートポジションについて批判している評論家を見たことがない。軽量化を推進するという次期ND型ロードスターも、テレスコピック装備は期待できないだろう(元々NDは顔が嫌いなので眼中にないが...)。ハンドリングは良いし、ちょっと乗っただけで興奮させてくれるロードスターは確かに良い車だが、適正なシートポジションをとることが不可能な時点で、ロードスターは選択肢になり得ない。はっきり言って、がっかりした。

気に入らなかったのは残念だが、スポーツカー未経験だった私にとって貴重な体験になったのは間違いない。