2015年4月10日金曜日

MINI CROSSOVERは本当にMINIなのか?

私は身長が高くはないのでMINI3ドアの後席は不都合なく座れるが、私より身長が高い人を後席に乗せるのは気が引ける。ということで、以前から気になりつつも「3ドアの方が良いに決まっている」として乗る機会を逃していた5ドアのMINIであるMINI Countryman、日本名Crossoverに試乗のつもりで乗ってみることにした。



実車を目の前で見ると、想像以上に大きい。これはMINIの形をした何か他の車としか思えない。とにかく強烈なインパクトを感じるこの顔は、一度見たら忘れられないはず!



乗った印象は予想通りで、普通のMINIより大きい分、走りが全体的にマイルドになっている。まず加速がMINI3ドアより緩やか。これは200kg重いのにエンジンが共通で98psしかないためではないか。後発のモデルだからATの変速が滑らかな気がしたが、MINI3ドアより遅いので帳消しである。ハンドリングも普通の車と比べれば依然として鋭く、緩いカーブでは曲がる気持ち良さを感じたが、MINI3ドアほどのキビキビ感は残念ながら、ない。

MINI3ドアより良いと思われる点は、遮音が良くMINI3ドアと同じエンジンなのに音が車内に殆ど響かず(個人的には不満)、MINI3ドアで顕著だった上下の跳ねるような揺れも常識的なレベルまで抑えられていたり、後席やトランクがかなり広くなっていたりする。はっきり言って、このCrossoverを選ぶ理由は一つだけ、「3人以上でMINIに乗りたいから広い方が良い」場合しか考えられない。MINIとしてはあまりに大きいし、車体が重く走りの個性も薄くなってしまっている。MINI3ドアを知らずに買うならまだ問題ないが、MINI3ドアが好きなドライバーなら、その「普通さ」に逆に我慢を強いられてしまうだろう。MINIであることは確かだし、まだまだ面白い車だが、どこか中途半端な車だと感じた。

今回乗ったこの赤い車はオドメーターがちょうど10万キロを超えて間もないところだった。MINI3ドアは2台乗って2台とも5万キロ程度だったから、その不人気さから減っていく運命なのも仕方ないか。ところで、酷使されているからか、3速から2速にシフトダウンする際にショックが発生するのが気になった。私としては、3人以上で乗るドライブの時か、MINI3ドアが近い将来消滅したときにしか乗らないと思う。その前にCrossoverがどんどん距離を重ねていって先にCX-5に置き換えられてしまうかも?台場の赤い116iもCX-5になってしまったし、ここ最近CX-5が憎い... ! あんな子供っぽいデザインのどこが良いのか?さっぱりわからない。



SUV風だけあって車高は高い。後席のウインドウスイッチまでMINI3ドアの前席同様のトグルだったのには驚いた。