車の装備は次々と新しいものが開発され、豪華になっていくが、その殆どは必要ないと思っている。オートライトやレインセンサーなんて、自分で必要だと感じた時にスイッチをひねる、ただそれだけで済むことなのに、その単純な作業を自動化するためだけに数万円も追加で払って装着するなんて、冷静に考えたら馬鹿馬鹿しいことではないか。実際によく見かけるのは、複数の追加装備をまとめてパッケージ化することで、「単体装着よりも数万円お得です」なんて謳っているが、そういうものに限って、明らかに不要な機能が混ざっていることも多い。要らない機能が含まれたパッケージを選ぶのはメーカーを儲けさせるだけだし、間違えてはいけないのは「いくら割引になろうとも付けないことが一番お得」ということ!笑
逆に、必要だと思ってもオプション設定すらされないものも多い。例えばスタビライザーだ。フロントのスタビライザーは軽でもない限り大抵の車には付いていると思うが、リアは省略されやすい。私はまだそれほど多くの車に乗った訳ではないので「必要」と断言はできないが、例としてリアスタビライザーが省略されているBMW 116iに対して、リアスタビライザーが装着されているMINI ONEは明らかにリアタイヤの落ち着きが違った。というのは、MINIと116iで東名高速の同じルートを走った時のことだ。荒れた路面で116iはリアが落ち着かない、例えれば軽く腰が砕けるような不安を感じたのに対し、MINIは全く不安感がないどころか、安定していてかなり気持ち良く走れたのである。MINIは116iよりホイールベースが短く、格下であるのにも関わらず、116iを上回る安定感だったのだ。このような差はリアスタビライザーの有無が原因なのではないかと思っている。
走りの質を重視するBMWなら、最安モデルでも走りに関する装備は上級車種に負けていないだろうと思っていたので、116iに限りリアスタビライザーが省略されているのにはがっかりした。E36型の318tiはちゃんとリアにもスタビライザーが付いているので、同じ最廉価モデルでも、コストダウンされているのが明らかにわかる。116iは走りを気にしない人向けのモデルなのだろうが(1シリーズユーザーの殆どはFRであることを知らないらしい、何と嘆かわしい!)、省略した上にオプションでも付けられないのはいかがなものか。オートエアコンなんていらないから、リアスタビライザーをせめてオプション設定するのが理想だ。
最近では、ND型ロードスターのエントリーモデルが車重1トンを切ったと盛り上がっているが、こちらもリアスタビライザーが省かれているらしい。必要な装備を削ってしまっては車重1トンを切ったと言っても喜ぶべきではない。しかしオーディオもラジオのみとなると、クラシックカーへ原点回帰するみたいで面白いかもしれない。