2014年6月10日火曜日

日産ティアナに驚く

ただ大きなカローラのようなものを想像していたから、走り出してすぐに驚くこととなった。



大きいだけあって、ホイールベースの長さもあり、凄く安定して走る。コンパクトサイズの車ばかり乗ってきた私には、ティアナでもこの乗り心地の良さには唸るしかなかった。ソファのようなシート、静粛性の高さ、直進安定性の高さ。当たり前のことだが、長距離を走るならコンパクトカーより絶対にこちらの方がいい。

ステアリングも重く、アスファルトのザラザラ感を手にしっかり伝えてくれる。ステアリングインフォメーションという点では、この前乗ったBMW1シリーズの電動パワステより優秀に感じた。



エンジンはこれもまた初めてのV型6気筒2.5L!セルモーターの回り方からして雰囲気が違う。4気筒とは別物の多気筒エンジンの質感の高さは、ダウンサイジングが進むまでの今のうちにもっともっと体験しておきたいところ。絶対にこちらの方がいい。

ティアナはボディデザインもなかなか良い。凄くカッコいいとは言い難いが、後方へ滑らかに下がるルーフラインなどにクーペのような美しさが感じられ、日本車特有のダサさからある程度抜け出している。

内装の質感もとても高い。木目調のセンターコンソールも安っぽさはない。高級車と言っても差し支えなさそうに思えてきた。



ただし1シリーズやMINIにあってティアナにないものははっきりしている。それは路面に吸い付くような走りと、ステアリングをきったときの気持ち良さだ。走りの爽快感を得られないところはやはり日本車だと思った。良くも悪くも普通の上級セダンなのである。欧州車のミドルクラスにあってこのティアナにないものも多いだろうが、今のところは私が今まで乗った車の中で最上級レベル。

日本ではミニバンか軽しか売れないから、全長4.8m、全幅1.8mという巨体(スイフトより1m長く、10cm幅広い)大型セダンのティアナはあまり売れていない。セレナも乗ったが、絶対にティアナの方がいい。ファミリーでもセレナなんか買わないでティアナを買おうよ。こんな上質さ溢れる真面目なセダンが売れないなんて勿体ない。

いくら乗り心地が良くても、ビシッとした直進安定性を持っていても、走って楽しくないのではどうしようもない。ジェントルなレベルの高い走りに感心しながらも、欲しいとまでは思えないのである。ただ、日本車を見直すキッカケになった車となったことは確かだ。