2014年2月25日火曜日

初の欧州車...BMW MINIドライブ - BMW MINI ONE

(感激のあまり、BMWとMINIへの愛を語ったかなりの長文になっています笑)


BMW MINI ONE。BMW製のミニ、ドイツメーカー製のイギリス車。ドイツとイギリスが好きな私にはこれだけで既に素晴らしいのですが、タイムズカープラスに登録したので、ついに乗れることになりました。初めて運転する外車。子供の頃からカーグラフィックやモーターマガジンを読み漁っていた私は、MINIの特徴や性能は大体想像がつきます。その期待通りの感動をもたらしてくれるのか、かつてないほどワクワクしながらMINIのある駐車場へ向かいました。



時刻は19時ちょうど。これほど近くでMINIを眺めるのは初めてです。お洒落で可愛くて、でもカッコいい、スタイルは文句無し!ボディカラーはとても薄い青で、ミントガムのような色をしています。日本車には絶対にない色ですね。それどころか、この色のMINIを見たことがないです。珍しい色。カーシェアリングはレンタカーと異なり傷の確認等をしないので、少し傷や凹みが目立ちます。かわいそうなMINI。



鍵を開けて乗り込みます。車内は紛れもない欧州車の世界!触ってみるとあちこちに安いパーツで作られた部分が多いのにも関わらずそれを感じさせない、日本車には絶対にないセンス抜群のデザインです。ずっと眺めていても飽きませんが、この車はパワーウインドウのスイッチがセンターコンソールの上にあるなど、知らないと戸惑うことが多いので、改めて確認しておきます。しかしミラー格納スイッチだけはどうしても見つかりませんでした。まさか手動ということはないはずなのですが。ONEなので最廉価グレードですが、装備としてはAUX INが標準なのは良いですね。この車にFMトランスミッターは不要です。



キーを差し込み、ボタンを押してエンジンスタート。キーを差し込む時の感触さえ気持ち良いです。優しく消える照明。エンジンはブルブルとはっきりと存在を主張していますね。「ピコピコ、ピコピコ」と可愛いシートベルト警告音が。シート、ステアリングの位置調整どれも調整幅が大きいのもさすが。



ライトをつけると、車内の文字はアンバー色に包まれます。オレンジより少し濃い目の色で、これはBMWが長年全車に一貫して採用してきた色です。この色と言えばBMWと言っても過言ではありません!MINIではあっても開発はBMWですから、至る所に懐かしいBMWの面影が残っているのですね。確か「目に優しい」とか、「運転に集中できる」という理由だったような気がしますが、詳しくは忘れました。いずれにせよ私はこの色が大好きで、一時期ブログの文字をアンバーにして背景を黒くしていたことがあるくらいです(笑)。



煩雑で鬱陶しいナビをオフにすれば、そこは落ち着きの空間。本当に落ち着きます。これだけでもBMWに乗る価値があります。そしてナビは要りません。地図を確認するなど、最低限の必要時以外はオフにしたいものです。



このMINIはアンバーを文字の照明だけでなく、イルミネーションとしても使っているようです。天井の白い照明付近に、こんなところに!シフトレバー付近をほんのり照らしています。ここは飛行機みたい。もうセンスの素晴らしさが爆発していますね。



時計の文字盤のような、美しさ…見とれてしまいます。



このように、走り出す前から感動の連続です。初心者マークを貼り、やっと走り出します。初心者マークもあと半年で外せます。



自宅周辺は40-50km/hくらいしか出せず、東八道路に入り60km/hへと速度を上げた途端、感動はすぐMAXに!道路の白線がレールで、そのレールを走るかの如くしっかり滑らかに、正確に走るではありませんか!思わず「これだ!この感じ」と口から出そうになりました。この頃には、交差点で隣に現れたフィットRSが霞んで見えました。ついに半月前にMTで乗って気に入っていた、あのフィットが。正直なところ、MINIの性能を経験してしまえばフィットRSは普通の車、ヴィッツは軽自動車です。もっと差があるかもしれません。



ヴィッツやフィットに比べると、小回りがあまりきかないようです。ギア比はクイックで、ステアリングを切るとすぐに限界が来るため、慣れないと少し違和感があります。そしてそのステアリングが、明らかに重い!これです、これを期待していたのです。ヴィッツは女性でも運転しやすいように配慮したつもりなのか、ステアリングが指一本で回せるほど軽くなっています。それはスピードを上げようが変化はありません。MINIのステアリングははっきりと重さを感じ、回さない時ははっきりと直進を保とうとします。カーブでは少しグイッと回す必要があります。ヴィッツの感覚では曲がりません。走行安定性も抜群です。どっしりとしていて、地面を這うようにビタっと安定しています。ステアリングを握っていると路面の状態がわかるというのも、本当でした。とにかく走っていて気持ちが良いです。80km/hなど遅く感じるレベルで、メーターを見て初めて80km/hだと気がつくくらいです。これでこそ欧州車です。アウトバーンを200km/hで巡行可能なのですから。このおかげで走行安定性、直進安定性は、これまで乗った全ての日本車を遥かに超えたレベルでした。ヴィッツよりも小さいのに、まるで大きな車に乗っているかのように。日本車は全く相手になりません。室内の広さ、燃費の良さ、税金の安さ、価格の安さ、奇妙なデザイン、アメリカや新興国ばかり気にしている日本車が本当に情けない。英TopGearの人たちが殆どの日本製コンパクトカーに見向きもしない理由がよくわかりました。



アクセルペダルもそうです。トヨタに顕著な点ですが、パワーがあるように見せかけるためか、アクセルを少し踏んだだけで飛び出すように発進する日本車は多いです。それに対しMINIは、ペダルを1/3は踏み込まないと発進しません。ブレーキも、踏んだら踏んだだけ効くタイプになっています。踏んだら踏んだだけ加速する。踏んだら踏んだだけ減速。意識的に切らなければ曲がらない。これが普通であるべきで、運転中の安心感も高く、全く疲れずに運転することができました。



疲れないと言えば、重要なのはシート。あらゆる試乗記で「日本車のシートはまるでダメだ」、「欧州車のシートは長距離を走っても疲れない」というのを目にしてきましたが、本当でした。ヴィッツやフィットのシートは気がつくと腰が浮いていたりしましたが、MINIのシートは普通に腰掛けただけで背中全体がピッタリと背もたれに当たります。言葉では表現し辛いのですが、欧州車のシートが優秀なのは間違いありません。この違いは座ってみないと、わかりませんね。いつまでもどこまでも走っていける、と心から思いました。



このMINIは6速ATです。エンジン音が絶えず車内に届くため、変速していくのがよくわかります。変速マナーは基本的には滑らかで不満はありませんでしたが、20km/hくらいまで減速してからの再加速の際、少し変速がギクシャクすることがありました。普通の人にはマイナスでしょうが、MTが主流の国で作られていることを考えれば、感動しないこともないですよ。



BMWのATには、ステップトロニックというMTモードがついています。シフトレバーをDから左に倒すとDSモードというスポーツモードになり、そこから前後に動かすとMTモードになります。引いてシフトアップ、押してシフトダウンは私の好きなBMWタイプです。MINIでもステップトロニックと呼ぶのかわかりませんが、MTモードを使い走ってみました。操作からワンテンポ遅れて変速するので、これは常用するものではないというのが正直なところですが、エンジンを回して音を楽しむなど、なかなかスポーティに走ることができます。60km/hで6速に入れると自動的に5速に戻り、減速すると自動で4-3-2-1と順にシフトダウンするなど、MTモードにしていても結構勝手に変速されるので雰囲気を楽しむためのMTモードと言えるかもしれませんね。



直列4気筒エンジンはBMW製としては高回転になるに連れ少し荒々しい音を出しますが、総じて質感の高い気持ち良いエンジンでした。低回転での音の滑らかさはE36の時の感覚を思い出します。1.4リッターで100馬力弱の小さなエンジンで、車体が小さいのでかなり速いです。200馬力のクーパーSになんか乗ったら、速すぎるのではないでしょうか。



欧州車と日本車の最大の違いと言えば、それはステアリング奥に生えている2本のレバーかもしれません。欧州車はウインカーレバーが左にあり、日本車は右側にあります。ちなみにイギリス車は右ハンドルでもウインカーレバーは左です。日本車に慣れたドライバーが欧州車に乗り換えるとまず交差点でワイパーを作動させてしまいますが、私は一度もミスしませんでしたよ。日本車だって輸出向けは左ウインカーレバーになっているはずですし、いい加減に日本車もウインカーレバーを左に統一すればいいのに、と思っていたりします。



近年のBMWはウインカーレバーが特徴的で、軽く動かしただけでは3回点滅して消え、もっと深く動かした時に継続して点滅するという仕組みになっています。3回点滅は主に車線変更の時などに有効で、慣れるとなかなか便利です。ただ、E36のガッチャと動かす手応えたっぷりのレバーの感触が好きだったので、この軽いタッチのレバーは少し時代を感じましたね。



海老名を通過し津久井湖付近を走っていると、突然「ポーン」とこれまたお洒落な警告音がなります。何かと思って視線を下ろすと、メーター内の液晶に、雪の結晶の形をしたマークが大きく表示されています。これは恐らく、外気温が氷点下近いことを示しているのではないかと思い、そのまま走っていました。すると、道路脇に設置された掲示板に「2℃ 凍結注意」と書かれているではありませんか。そう、気温が下がっているので注意してくださいとMINIが教えてくれているのです。賢いですね!また感動してしまいました。



メーターの雰囲気がとても気に入ったので、帰路の途中に調布飛行場の脇で休憩しながら撮影タイム。カメラを持っていかなかったのが悔やまれます。



車体は5ナンバーサイズで、全長はフィットより20cmも短く、室内空間は狭めです。前席は座高をかなり下げられますから、目一杯下げれば頭上にかなり余裕があります。またフロントガラスがどちらかというと直立に近い角度になっているため、視界が良好な上、開放感もあるのが少し意外な点です。後席は、身長163cmの私が前席に座る場合は十分座れますが、170cm後半の人が前に座ってしまうと後ろは座れないか、子供専用になってしまいそうでした。おまけに4人乗り。トランクもヴィッツなどと比較して明らかに狭く、実用車ではなく趣味車だと割り切る必要がありますね。



エンジンスタートの様子を動画にしてみました。鍵を開けて、乗り込んで、スイッチオン...ライトを点灯、エンジンスタート!



車を返却する前に、父に「面白い車があるよ」と誘って近所を回り、ここがこうだと2人で評価しながら帰宅。午前2時30分、MINIを返却しました。走行距離は133km、借りていた時間は8時間弱と最近のドライブの中では短めですが、不思議なことに非常に時間の流れが遅く感じられました。素晴らしい体験ができて満足しています。



初めて運転した外車は、BMW MINI。欧州車に乗るという、免許取得後初のドライブの時を上回る緊張と感動。スタイルや性能から、スイッチや警告など細かいところまで、本当に感動の連続。運転中も常に感動したまま。今まで助手席からの記憶と知識だけだった欧州車の世界に、ついに踏み込む。子供の頃からの憧れと期待を遥かに上回る結果をもたらしてくれたMINI。



このMINIがいつかの愛車候補になると同時に、もう日本車には戻れないと確信したのでした。



MINIは絶対にまた乗りたいですし、本命のBMW116iも控えています。楽しみにしています。


初めて運転した欧州車は、BMW MINI。免許取得後初のドライブの時を上回る緊張と感動が...スタイルや性能から、スイッチや警告など細かいところまで、感動の連続。子供の頃からの憧れと期待を遥かに上回る結果をもたらしてくれたMINI。もう日本車には戻れない。