アルトラパンで慣れない国道4号線をかっ飛ばし、必死の思いでたどり着いた日光への「冒険」は3年前の10月30日のことだった。あの感動から毎年この時期は戦場ヶ原に行くと決めており、大学生最後となる今年も行くことにした。この数ヶ月はドライブが予定より多かったので行くかどうか迷ったのだが、外の秋らしい哀愁漂う空気を感じてしまうと行かずにはいられない。
迷った末に行くと決めたら、次に車選びで迷うことになった。残念ながらBMWはもういない。過去には、3年前はラパン、それ以降は基本的にはMINIを選び、一度だけBMWを選んでいる。このことをふまえるとまたMINIかなと思うが、最近はどうしてもMINIの硬い乗り心地が好かないこともあって、下道をMINIで走り続ける気がしなくなってしまったので、MINIは残念ながら除外。すると浮上してくるのはインプレッサとスイフトだが、インプレッサは耳障りな障害物センサーがオフにできないのが嫌でこれも最近乗らなくなってしまっている。
最後に残ったのはスイフトだった。スイフトはとても良い車なのに、長距離ドライブとなるとどうしても私の中での順位としては後回しになってしまいがちで、意外にもスイフトで長距離を走ることになるのは先日の名古屋から今回で二回目である。ごめんなさいスイフト。
あれだけ気に入っていたMINIを差し置いてスイフトを選ぶからには、期待している点があるのは当然のこと。最近の私の評価として、スイフトは「乗り心地が優しくて運転しやすく、ワインディングを気持ち良く走れる優秀なコンパクトカー」である。スイフトの足は柔らかいが、ふにゃふにゃで不安になるような柔らかさとは異なり、柔らかく揺れても即座に安定してくれるところが良い。スイフトの優しい乗り心地に慣れると、MINIの「ゴーカート・フィーリング」は硬いだけと言ってもいいくらいだ。MINIの硬さは疲労に繋がるが、一方のスイフトが予想外に疲労しないのは先日の東京〜名古屋往復で身を以て実感しているから、今回もあまり疲れずにドライブできるだろうと期待している。
快晴の朝7時、スイフトのところへ。雨で戦場ヶ原を散策できないのは困るので事前に天気予報をチェックしていたが、期待以上の天気が望めそうだ。毎度ドライブの朝は電車に乗ってわざわざ目的の車を取りに行くが、今回はそうではないのですぐに出発できる。いつものスイフトで日光へ行くと思うとワクワクする。トリップメーターをゼロにして、出発!
次第に日差しが強まってきて、早くもサングラスを用意しなかったことを悔やむ。3年前の気分を思い出したくて国道4号線から行こうとしたが、どのナビで調べてみても頑に国道17号線経由で行かせようとするので、仕方なく路線変更して国道17号線に向かう。埼玉県内の国道254号線は頻繁に渋滞が発生していてなかなかペースが上がらない。折角なので渋滞の途中でガソリンスタンドに寄りスイフトを洗車することにした。カーシェアは内外装とも薄汚いのが当たり前なので、長時間乗る時は洗車する習慣がすっかりついてしまっている。
やっと国道17号線に乗った。左右に広がる田園風景と次第に正面に見えてくる赤城山、そして気持ち良いペース。すっかり気に入ったこの国道17号線を通るのも何度目になるだろうか。数えてみれば意外と多いはずだ。10時半、道の駅おおたでいつものように休憩。
日光にはコンビニが見当たらないのでいつも苦労してきた経験をふまえ、国道122号線にあるコンビニで昼食を調達。距離ではもうすぐ日光だが、確実にいろは坂の渋滞にはまるので時間がかかると思い、コンビニ弁当をジャケットで包んで保温...
そういえば、コンビニといえばセイコーマートに寄れば良かったかなとも思ったが、下道で日光に行くと片道で6時間以上かかるので寄る余裕はなさそうだ。
予定通り、いろは坂の渋滞で大人しく通過を待つ。追突事故があったのか、一車線をせき止めた数台の車がいた。明智平に入るためのこの渋滞は、明智平に寄らない人も巻き込まれる。確実に道路の欠陥だよな。この渋滞を避けようと思ったら、自宅から日光まで下道で行こうと思ってはいけない。
14時近くになり、ようやく中禅寺湖までやってきた。いつものようにこの辺りはスルーして戦場ヶ原に到着。背景の紅葉がとても綺麗なので、今のうちにスイフト撮影タイムにする。
スイフトの車内で弁当を食べ、いざ戦場ヶ原散策へ。例年よりもまだ紅葉が少し残っており、非常に天気が良く、あまり寒さも感じないということで、絶好の散策日和になった。
毎年飽きずに写真を撮りながらの散策は、次第に景色が記憶に残っていることに気がつくようになる。同じような景色が続いていても、「おや?この場所は」となるのが面白い。例えばこの場所は、木道のカーブと木々のバランスがちょうど良いので気に入っており、気がつけば毎年同じ場所で撮影している。
さすがに紅葉の美しさには見とれてしまう。いつも戦場ヶ原に来る頃はすっかり冬景色になっていることが多いので新鮮である。木漏れ日も綺麗だ。そういえば、毎年一眼レフを持った外国人とすれ違うのだが、1人で黙々と戦場ヶ原の景色を眺めている外国人を見かけると、何だか嬉しくなってくる。
今年の散策で印象的だったのは、カモが沢山いたことだ。いつも3羽くらい見られれば良かったが、驚いたことに10羽以上もいる上に、皆で水中に潜って餌をとる姿や、一斉に鳴き出すなど、まるで観光客のために待っていたかのように色々な様子を見せてくれた。他の観光客も皆嬉しそう。帰り際には、今までにないくらいに木道に近いところに来てくれたことも...何とも可愛らしい。
この時期は16時半には日没を迎え、17時になる頃にはあっという間に暗くなり始めるので、それに合わせて帰る準備をしなければならない。16時半に木道を後にするが、これから奥に行こうとする人々が何人かいて、大丈夫なのだろうかと気になる。暗くなる前に、再びスイフト撮影タイム。
隣の駐車場に移動し、また飽きずに撮影タイム開始。記念写真も忘れずに。
17時になり、辺りは次第に暗くなる。帰り道は今度こそ国道4号線経由にしようと思い、ナビを設定して出発する。
しかし案の定、中禅寺湖に至る道は大渋滞になっていた。調べるとこのままいろは坂を抜けるまで渋滞は続くという。ちょっとだけ抜け道を使ってショートカットできたが、いろは坂を抜ける頃には18時を回っており、1時間もかかってしまった。さすがに渋滞で疲れが出てきてしまったので、交通量の多い国道4号線に行くことは諦め、Uターンして帰りも国道122号線を通ることにした。国道122号線は交通量が少ないので、自分のペースで走れるお気に入りの道。BGMも良いタイミングでロックに変わり、気分を良くして速度を上げていった。先ほどまでの渋滞と疲労感が嘘のようだ。
20時過ぎ、国道17号線に合流。速度が上がるバイパスや高速道路への合流は、いつもたまらなくワクワクする瞬間だ。当然ながらスイフトはバイパスでも非常に安定して気持ち良く走ってくれる。埼玉県に入り、全然疲れていないことに気がついた。スイフトはつくづく長距離に適した車である。
23時頃、帰着。殆どの時間をスイフトの中で過ごした。いつも同じようなことを書いているかもしれないが...とても気持ち良く走れ、乗り心地も良く、元々気に入っていたがさらに輪をかけて好きになってしまった。スイフトへの私の評価、「乗り心地が優しくて運転しやすく、ワインディングを気持ち良く走れる優秀なコンパクトカー」は確固たるものになった。これはもう名車と呼びたいくらいである。
そして、毎年通うようになって4年目となる日光・戦場ヶ原も、今までにない新たな魅力を見つけ、というか毎年少しずつ異なる雰囲気があることに気がついて、さらにお気に入りの場所になった。学生時代に行くことができるのは今回で最後になるだろうが、来年以降も欠かさず通えればいいなと思っている。
今回のスイフトと戦場ヶ原の組み合わせ、文句なしでした!