2014年11月17日月曜日

思い出の3代目ヴィッツ

免許を取ってから房総、富士山、江ノ島とお世話になったヴィッツ。多くの人がそうであるように、免許をとって間もなく運転を学ぶ時に乗る車は普通の車だ。私にとってそれはこのヴィッツであった。しかし他に魅力的な車に乗れるようになったこともあり、今年1月の江ノ島行きを最後に長らく乗っていなかった。

今年1月に乗ったときは、まさかそれ以降乗らなくなるとは思っておらず、マイナーチェンジで顔が新しくなったモデルがレンタカーに配備され始めた最近、この3代目前期モデルにもう一度乗っておきたいと思っていたのだ。トヨタレンタカーは車両の入れ替わりが早く、地元の店舗を見るとヴィッツの殆どは後期型の顔になっているではないか。乗るとなれば、タイムズだな。もしかしたら乗り納めになるかもしれない。そんな気持ちも抱きながら、ヴィッツの元へ。


この3代目ヴィッツは、世間では「チープになった」とか「没個性になった」とか言われて、初代と2代目までの人気はどこかへ行ってしまった。私としては3代目のデザインも好きで、2代目までに比べ奇抜さが薄れた様子は、大人になり落ち着いたものと捉えている。内装もセンターメーターを廃止して普通のデザインになったが、そこが良い。ヴィッツは普通であることが良い車になった。



今回乗るヴィッツは4気筒1.3L。いつもトヨタレンタカーで借りていたのは3気筒1.0Lなので、エンジン音が違う。街で軽く走っている限り、1.0と1.3の違いはよくわからなかった。加速は私の嫌いなCVTだが、色々な車に乗った今改めて乗ると、意外にも滑らかであることに気がつく。穏やかにスルスルと加速するのが気持ちいいので、スポーティさとは無縁な代わりに燃費が良くなりそう。車内に響くエンジン音の音量はあまり差はないが、音質は4気筒の方が上質である。1.0はアイドリング時に結構ブルブルと震えていた記憶があるので、最大の違いはエンジンによる振動かもしれない。


運転した印象を書いてみたが、最も印象的だったのは「運転が面白くない」ということだった。その一番の原因はハンドリングの悪さだ。軽いステアリングを回してもヌルヌルフワフワと回るだけで、それ以上でも以下でも何でもない。ただ回るだけのステアリングを回し交差点を曲がっても、何も感じられない。そんなの当然だろうと言われそうだが、昨年の今頃はヴィッツでもそれほど不満を持たず、それこそ自宅から東西南北をこの車で駆け巡っていたのだ。上を知るとは恐ろしいことである。今の私なら、このヴィッツでアクアラインを通って千葉の鋸山へ行こうとは微塵も思えない。


残念ながら、ヴィッツで楽しくドライブできる時期は終わっていた。全般的にスイフトやMINIの方が良い。上を知っている今、残念ながらヴィッツに戻ることはないと思う。しかしヴィッツは思い出も多く、はっきり言って愛着がある。Bloggerのプロフィール画像は、初めて友人とドライブに出かけた時のものだが、この車もヴィッツなのだ。少し古い車になってしまったな。まだ気軽に乗れる間にこうして乗ることができて良かった。

2014年11月12日水曜日

E36tiと感動の再会!

荻窪から青梅街道を散歩していたら、道路の向こう側にある中古車屋に、赤いE36が置かれているのを見つけた。

「あれはtiではないか...?」

これは見に行かないわけにはいかない。信号を渡り、元来た方角へ引き返す。
店に人はいないようだ。よし、じっくり眺めることができる。


近づいてみると、予想通りtiだった。ノーマルの318tiセレクション。祖父のtiとは色も仕様も異なるが、紛れもなく私が一番好きなBMW、E36tiだ。感動の再会である。目の前でじっくり眺めるのは、あの318tiが廃車される直前の冬以来だ。時々走っているのを見かけては、二度と会えないシルバーのMスポーツ318tiに思いを馳せていた私。

あれから5年、私は運転免許を取得して色々な車に乗った。現在の私の目で改めてtiを見て感じたのは、小さいということだ。私が大きくなったのではない。この車は、今のBMWでは考えられないことだが、日本の5ナンバーサイズに収まるサイズなのだ。今の1シリーズより一回り小さい3シリーズという矛盾のような車は、とても運転しやすそうに見える。このくらいの大きさが丁度良いのだよ。5ナンバーサイズで、その走りはBMWなのだ。そこから出てくる思いはやはり、「乗りたい...」


後ろに回ってみて、思わずドキッとした。tiの好きなアングルは、斜め後ろから見た時のアングルだ。tiが好きという人は珍しいだろう。世間では決して人気とは言えない車種だが、愛着を持てばそんなことは関係ない。


車体左側に回れば、照明が当たって明るい。綺麗な赤だ。見たところ塗装は疲れている部分もなく、概ね綺麗な状態を維持している。良い塗装状態と言えるだろう。


とにかく後ろから見たボディラインが好きで、私は必死になって写真を撮った。しかし、写真では直接見たときの感覚は残すことができない。そこから出てくる思いはやはり、「ずっと見ていたい...」


内装は今時の車と違い、黒一色だ。インテリアとは呼ばず、内装と呼びたくなる。飾り一つなく、ドライブのためだけにあるこの内装こそが良い。シルバーメッキのパーツ一つないのに、その質感は今の車とは全然違う。単純に、安っぽさがないのだ。本革の質感も良い。「あぁ、このシートに座りたい...」


入荷したばかりなのか、値段諸々の表示はされていない。恐らく20~30万円になると思う。買えるものなら買ってやりたいが、悲しいかなまだ維持できる状況ではない。今回は久しぶりに夢を見ることができただけでも良しとしよう。ありがとうBMW。「MINIが一番のお気に入り」とか、「シトロエンも試乗できるかな」など色々なことを考えているが、E36にかける思いは段違いのもの。いざ自分の手元に収められる日がくれば、他の車には目もくれなくなるだろう。